MESSAGE
教授からのメッセージ
カーボンニュートラル社会に向けて
当研究室では鉄鋼生産プロセスを中心にカーボンニュートラル社会に向けて、人類の発展に役立つ高温プロセスを熱力学・移動速度論・熱物性を基礎に研究しています。鉄鋼業のCO2排出は、我が国全体の約14%にのぼり(国立環境研究所「日本の温室効果ガス排出量データ(2019年度)」より)、そのほとんどが鉄鉱石を還元し銑鉄を得る工程によるものです。CO2排出量の大幅削減が可能なスクラップは世界の鉄鋼需要を賄うには不十分であり、依然として鉄鉱石から鉄を製造する必要があります。しかし,鉄鉱石の品質は徐々に低下しており、これらの原料の対策も必要です。我が国及び世界の鉄鋼業は再生可能エネルギーで製造するグリーン水素による鉄鋼製造に取り組んでいますが、当研究室では、劣質化原料を活用しつつ、新プロセスに適したペレット・焼結鉱などの原料の作り込み・評価の研究を通じて、環境負荷やCO2排出量の削減に貢献しています。また,カーボンニュートラルに不可欠な高級鋼製造において、様々な鋼種に適した鋳造技術も欠かせません。特に,製品の品質や歩留まりの向上に重要な役割を果たすのがモールドフラックス(鋳造用潤滑剤)です。当研究室では、モールドフラックスの熱物性測定や伝熱に影響を与える組織制御の研究も行っています。さらに、副産物である鉄鋼スラグのリサイクル技術の研究も行っています。これらの研究の幾つかは企業や他大学、学内の他研究室と共同で行っています。
是非、私たちと一緒に研究を行いませんか?